秋田で家を建てる人のための建築情報雑誌 JUU(ジュー) の取材で、秋田の窯元・三温窯を取材させていただいたのは、まだ雪が降っていたころ。

JUU https://www.juu-akita.com/
三温窯 https://www.instagram.com/3ongama/

以前、秋田市新屋にある民芸パパヤーで三温窯のうつわを購入してから、わが家の食卓には毎日のように並んでいますが、作り手である佐藤さんにお会いするのはこの時が初めて。初対面の取材はいつも緊張でドキドキ、そわそわ落ち着きません。

工房があるのは、秋田北部の五城目。
森林資源に恵まれたこの地域では古くから秋田杉を使った五条目箪笥などが作られており、五城目焼きという焼きものもあったそうです。
以前に窯元があったということは、陶芸に適した土地であるということを意味しています。

三温窯が作るうつわは、ブルーグーレー・飴色・黒など落ち着いた素朴な雰囲気。一見多くを語らないのに風合いとフォルムには確固たる意志が感じられ、使いやすさにこだわった安定感のある美しいデザインが目を惹きます。

三温窯を営むのは、佐藤秀樹さんと幸穂さん親子。
40年ほど前、秀樹さんがこの地に築窯した経緯については、JUUの今月号に掲載していますので、良かったらお手に取ってご覧ください。
JUUは、秋田県内の書店やローソンなどで販売中です。

窯元の取材は久しぶりだったこともあり、改めてうつわ作りの壮大さ、スケールの大きさに驚かされました。
レンガを積み上げて自作する登り窯、その燃料になる大量の薪、土をこねて寝かせておく粘土庫、素材別に作られた釉薬の数々など。その一つ一つにかけられた熱意と労力は、計り知れないほど大きく、だからこそ手のひらにおさまる小さな世界に尊さを感じることができるのだな、と。
登り窯がある空間では厳粛で清らかな空気が流れ、まるで社殿の前に立っているような神聖さがありました。

この感動を、みなさんにもお届けしたいので、いつか見学会とか開催できたらいいな…、と思ったり。
陶芸は手仕事の中でも、原材料を自らで調合し、オリジナルの材料を作ることができる稀な仕事。それゆえ製法も各地や窯元でさまざまですが、「ここにしかない器」にこだわった三温窯の仕事からは、学ぶことがたくさんありました。

私も、もっともっとこだわらなくては!と、勇気をいただきました。
お世話になった三温窯さん、JUU編集関係者のみなさん、今回もありがとうございました。
秋田の家づくりを考えている方、三温窯の仕事に興味のある方は、ぜひ JUU をお手に取ってご覧ください。お読みいただけると嬉しいです。
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