実は、愛媛に住んでいるころから、盆にお供えする馬を藁で作れたらいいのにと思っていました。
でも馬や動物など彫刻的な藁造形は、藁の種類も製作過程もしめ飾り作りとは似て非なるものなので、いつか、いつか、と思いながら、今に至ります。
秋田で出会った武田謙一さんは藁を綯う技だけでなく、動物などを一つの塊として捉えることができる彫刻的な視点を持っていました。立体造形を作るセンスを持ち合わせていたのです。
武田さんなら、きっとお盆の馬が作れる!そんな思いをここ数年ひそかに抱いていましたが、手刈りする希少な藁は年末のしめ飾りで使い果たしてしまうため、この時期に藁が残っていることは、ほとんどありませんでした。
でも今年は、多めに育てた藁が残っている(!)と聞き、念願の馬の試作が始まりました!

お盆に飾る馬は、「精霊馬」と呼ばれます。(地域によっては「精霊牛」または「牛馬」と呼ぶ地域もあるそう。)
お盆には、ナス(牛)やキュウリ(馬)をお供えする風習がよく知られていますが、これによって先祖の霊があの世と現世をスムーズに往来するといわれています。
秋田ではこの牛馬を藁で作って供えしたり、軒下に吊るしたりしたといわれています。県南では、牛馬に藁人形を作って乗せる集落もあったとか。

試作品はこんな感じで進んでいます。
もう少し体を太らせて牛らしさも加えた方がいいのかと考えたり、地元の方に聞きながら色々と模索中。初夏にはお披露目できるよう作っていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。
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